DIYオフグリッドのソーラ発電で電気自動車を充電(約50%/日)

えねばかプロジェクト,オフグリッド発電,オフグリッド発電によるEV充電記録,太陽光発電,電気自動車,DIY

以前から報告している「自作DIYオフグリッド太陽光発電で電気自動車を充電するプロジェクト」ですが、6月になりやっと、快晴の日に50%(1日当たり)充電する事ができました。SOCは40%->90%と50%増、航続距離は29km->78kmと49km増という結果です。まぁ2日で満タンになるし、1日でも約50km走行できると考えれば十分な結果といえるかもしれません。本記事はそのエビデンスです。

充電前


充電後


プロローグ

そういえば、もうすぐ「夏至」です。1年で1番日が長い夏至の日は理論上、発電量も1年で1番多くなるハズです。しかし福岡県は例年6月5日ごろに梅雨入りしてしまいます。実際、天気予報を見てみると、今年の間もなく梅雨入りしそうな感じですね。



という事は快晴となった6月7日、及び、6月8日が、おそらく今年における最も発電量の多い日では無いでしょうか?(もちろん天候に左右される話なので憶測ですが、、)。つまり、この日を逃すと次のチャンスは1年後という事。それは避けたいので今回、電気自動車の充電測定を決行した次第です。

システム構成

私が制作したオフグリッド太陽光発電のシステム構成の詳細は以前の記事に記載してるので、ここでは簡易的な説明に留めます。まずは2つほど導入した新兵器の説明です。

EV充電器 EVSE PHEV SAE J1772 100-240V 16A/13A/10A/8A 調整可

今までは三菱純正の充電器(100v用)を使用していましたが、今回からは社外品を利用する事にしました。なぜなら出力を16A/13A/10A/8A と4段階に調節できるからです(以下の写真を参照)。







ソーラー発電は日差しの弱い朝晩は発電量が低く、曇りの日だと尚更です。今までは対策としてタイマーを利用していましたが、これからは朝晩に8A、日中日差しが強い間は10A、13Aと、発電量に合わせて出力量も調節できる様になります。


SAYA 正弦波インバーター24V 2000W(瞬間最大4000W)

今回Amazonより購入したインバーターは、以前の蓄電システム.comより購入したインバーターよりチープな作りでした(汗。出力も同じ2000W(瞬間最大4000W)なのに、なぜ新しいのと交換したかというと、、リモートコントローラが付いていたからです(笑)。





いや、これ大事な事なんですよ。なぜなら少しでも天気が悪かったり、夕方日差しが弱くなると、電力が足りなくエラー停止するんです。それも「ピーピーピー」と大きな警報音を立てて、、近所迷惑ですよね(笑)。今までは家の中から猛ダッシュで玄関を飛び出し外にあるスイッチを切りに行ってました。でも、これがあれば、家の中ですぐに電源OFFできるようになります。ただ耐久性はどうなんだろう?? しばらく使ってみないと結論は出せませんが、正直、蓄電システム.comで購入したインバーターの方が質実剛健で長持ちしそうな気がします。

その他、パネルやチャージャーコントローラーなど

上記以外は以前の記事に記載したままなので、簡略的に説明します。

パネルはネクストエナジー社のNERP255P(255W)を6枚、理論上は1530W発電します。またバッテリーはACデルコのM31MFを4つ使用していますが、これは100V電源と取り出す一時的なバッファとして利用しています。なお電気自動車を200Vではなく100Vで充電する所がポイントです。一般的に電気自動車は200Vだと4000W近く必要ですが、100Vで充電する場合は最大15Aに制御され1500Wしか必要ありません。1500W取り出すのは意外と簡単で、キャンパーの人たちがDIYしているネット記事が多数あがっています。そこで今回、私もイージーな1500W(100V)充電で電気自動車を充電する選択にしました。

記録1(2020/6/7 快晴):ミニキャブミーブ16kWhモデル(型式U67V )での充電実験

天気はすこぶる快晴です。この日は我が家の「おんぼろミニキャブミーブ(走行距離29万キロオーバー)」を充電しました。



日曜日という事もあり少し寝坊し10時過ぎにスタート、その時点でSOCは43%でした。寝ぼけて航続距離の無い写真だった事に気が付き途中の46%で再確認、この時点で37kmを表示していました。



なお設定を10Aの出力にした所、実際の出力は9.1A(103V 0.9Kw)となっていました(どうやら10Aだと9A、13Aだと12Aと、、どの設定でも実際には1A少ない出力となる様です。んー?安全係数かな??)。



日中の発電状況は以下の通りです。合計1100W発電していました。(左:55V x13.0A=715W 右:50V x7.7A=385W )



上記の通り日中1100Wの発電に対し出力は900W程、順調に動いていましたが、夕方になると流石に発電量が落ちエラー停止しました。その際、充電器に表示されている積算値も消えてしまいました。う~ん残念。メモリ機能が欲しいところですね。



上記1回目のエラー停止時点で89.5%、その後も夜にかけて何度もエラー停止しながら4つのACデルコバッテリーが空っぽになるまで絞りとる様に充電し最終的に97.0%まで充電できました。



結果、SOCは43%->97%と54%増、航続距離は37km->88kmと51km増という結果になりました。まぁ2日で満タンになるし、1日でも50km走行できると考えれば十分な結果といえるかもしれません。

んー、、しかし今回は10時過ぎの実験だったという点と発電能力の低さから出力が10Aという設定だった点が悔やまれます。もし出力を最大の16Aで動かせれば、単純計算で、あと1.6倍は充電できるという事になります。

記録2(2020/6/8 快晴):アイミーブ16kWhモデル(型式ZAA-HA3W )での充電実験

この日も快晴です。天気はすこぶる快晴です。この日は我が家の「蓄電池替わりに使用しているアイミーブ」の方を充電します。



ちなみに「グーネット」でアイミーブ(型式ZAA-HA3W )を見ると「2010年4月(平成22年4月)」から販売開始となっていますが、我が家のアイミーブは初年度登録が「平成22年2月」です。実は我が家のアイミーブ、個人向け販売される以前に製造された法人車なんです(笑)



で、、このアイミーブ、以下の写真の通り充電ケーブルにコントローラがありません。さすが初期型ですね。つまり充電器ではなく、ただの延長コードです(笑)。なので今回、ミニキャブミーブで使用した青色の充電器を使うことができません。ちなみに充電器は車体に内蔵されているのですが、これがナカナカの高出力です。別の日に測定した際の写真ですが、以下の通り(104V × 13.11A)=1363Wも消費していました。


これだけ高出力だと日中ならともかく朝晩は発電能力が足りずにエラー停止します。そこで対策としてタイマーで細かくオンオフしました。時刻は9:23、SOC40.0%、航続距離29kmの状態から実験スタートです。



恐らく発電量がマックスになると思われる12時過ぎ、合計1179W(左:49V x16.0A=784W 右:50V x7.9A=395W )発電していました。しかし先に述べたとおり出力は1300W超なのでタイマーで凌いでいきます。



結局17時頃には発電量が少なすぎタイマーでも凌げなくなりました。(※写真ではタイマーの時刻が18時になっていますが、実際の時刻は16:47です。スミマセン)



日が長いこの時期、先の充電器なら出力を弱める事で、もう少し長い時間充電し続けられるのですが、このアイミーブは出力が高すぎで、これ以上充電する事は不可能です。結果、最終時点のSOCは91.5%、
、、と、あれ?(;’∀’)。キーオンしたら(ガソリン車で言うと「エンジンをかけたら」)、SOCが90%に減ってしまいました。う~ん不思議、、電気自動車ベテランの「相棒Kちゃん」に聞いたら、「んー、多走行でバッテリーが弱ってる電気自動車ならよくある事だよ。」と教えてもらいました。



結果SOCは40%->90%と50%増、航続距離は29km->77kmと48km増という結果になりました。

まとめ

結果をまとめると以下の通り両方とも、ほぼ同じ結果です。そもそも両車両はバッテリーのサイズが16kWhと同じなので妥当な結果だと思います。

ただし出力はミニキャブの時は9A前後、対して、アイミーブの時は13.45A程と4A以上の差がありました。それは恐らくタイマーで出力時間を減らした事で4Aの差が吸収したのでしょう。エネルギーの総量が同じという事、言い換えるとソーラパネルが発電した総エネルギーを、ほぼ全て電気自動車へ入れる事ができたと思われます。だから両車両とも差が少なかったのでしょう。



つまり言い換えると「そもそもソーラーパネルの出力が不足している」って事になります(苦笑)。下手くそで恐縮ですが、下の図を見てみてください。

よく見るソーラパネルの過積載の図と同じ意味になりますが「最大1500Wのソーラパネルだと、そもそも1500W取り出せるのは一瞬」です。対して「例えば、最大2000Wのソーラパネルなら、1500W出力できる時間は長くなる」という事です。加えて言うと「ピークカット分はバッテリーに充電されると考えれば、1500Wの出力時間は更に伸びる」という事です。

まぁ要するに「全体をスケールアップすれば、充電できる量も増える」というアタリマエの話なんですけどね。「電気自動車を1500Wで充電するから1500Wのソーラパネルで良いや」って考えた私ってアホでした(笑)。いや、実は最初から理解はしていたんですけどね。。ただお金の都合が、、、(+_+)。
で、予算抑えるための苦肉の策として「将来の冗長性を考えて並列化設計」し、まずは「1500W取り出すには1500Wのソーラパネルでは不足する実証試験」を行おう考えた次第です。いやぁ、我ながら苦しい言い訳ですな(苦笑)。まぁ一応今回の実験で証明できたかな、と思ってます(ただし並列化した事でバッテリーが痛んだみたいです。さらに余計な出費が、、、やっぱり私っておマヌケだわorz..)。

あとは少しずつパネルやバッテリーを増設しながら、来年に向け追加実験していきたいと思います♪ ではでは(^^)/

■追記■
後日、いちばん弱い「8A(実際には7A、700Wほど)」で充電したところ、朝9時~夕方5時頃まで安定して充電し続けられました。図で書くと以下のような感じだと思います。(バッテリーが弱っていなければ、もう少し長い時間充電できるかも)。

という事は、一番強い「16A(実際には15A、1500W)」で充電する場合、ちょうど2倍ぐらいの3000Wぐらい発電するソーラパネルが必要って事になるのかな? と推測できますね。お金貯めたらチャレンジします(^_-)-☆

Print Friendly, PDF & Email