詳しく電気自動車がエコな理由を説明します。
1.化石燃料の枯渇
1ー1.牧草算(ニュートン算)って知っていますか?
ある牧草地があるとします。そこには草が青々と茂っています。そこに牛の群れが居ます。
もし、牛の群れが一日に食べる草の量より、一日に生える草の量が多ければ、草は永遠に無くなりません。
ですが牛の群れが一日に食べる草の量より、一日に生える草の量が少なければ、草はいつかは無くなり枯れ地になります。
当たり前の事で、難しい事では無いですよね?
同じことが人類の化石(石油、石炭)エネルギーに言い換えられるのです。
もし、人類が一日に消費する化石燃料(石油、石炭)より、一日に生成される化石燃料(石油、石炭)が多ければ、永遠に化石燃料は無くなりません。
ですが人類が一日に消費する化石燃料(石油、石炭)より、一日に生成される化石燃料(石油、石炭)は少ないので、いつかは化石燃料は枯渇してしまいます。
そして実際には何百年、何千年かけて作られた化石燃料を、人類はたった一年で使っています。(実際にどれくらい消費しているかは、諸説あり正確な数字は判明していません)
もちろん何十億年もかけて作らた化石燃料なので豊富に有り、そう簡単には無くなりません。ですが先の牧草算を思い出してください。
何百年、何千年かけて作られた化石燃料を、たった一年で人類が使っているという事は「いつかは石油、石炭は枯渇してしまう」という事なのです。
2.地球温暖化
2ー1.エネルギー保存の法則を知っていますか?
熱力学第一法則となんですが、「そこの存在するエネルギーの総量は変わらない」という考え方です。例えば、ガソリンを燃やした熱エネルギーは消えてなくなるのではなく、クルマを動かす運動エネルギーに形を変えます。
またガソリンを燃やした(運動エネルギーにならなかった)熱エネルギーは排気ガス経由で温度が低い大気へ移動し、気温を上げます。大気に移動した熱エネルギーは、さらに温度の低い海水や氷などへ移動します。それで海水温が上がって異常気象が生じたり氷河が融解するかもしれません。
現代の人類は、大自然が何百年、何千年とかけて蓄えた化石燃料を、たった一年で消費しています。
「いろいろな形」で存在する地球のエネルギー総量が変わらないとすれば、文明が発達して化石エネルギーを消費するほど熱エネルギーが増え、海水が温水に、両極の氷原・氷河が融解する結果になるかもしれません。
(ただし諸説あり実際は正確な事は判明していません。上空に近づくにつれて気温が下がる事から、もしかしたら宇宙と熱交換して地球外に熱を放出している可能性が有りますね。そうでないと化石燃料何百年分を1年で燃やしている地球上は既に灼熱地獄になっている気がします。ただ、やはり暖房をかければ室内が暖まる様に地球上でエネルギーを消費すれば地表は暖まると思います。。省エネって大事な事ですね。)
2-2.CO2と温暖化
エネルギー保存の法則以外にも、地球温暖化が進む要因があります。それはCO2(二酸化炭素)です。化石燃料を燃やすとCO2が排出されます。いや化石燃料に限らず物を燃やすと必ず発生します。そしてこのCO2はオゾン層を破壊するといわれています。このオゾン層は太陽光から有害な紫外線等を吸収し、地球の表面が暖められるのを防いでくれます。
そのオゾン層をCO2が破壊することで、地球の温暖化が進んでいると考えられているのです。(※正確には諸説有り解っていないことも多々ありますが、現時点の科学ではそう考えられています)
3.電気自動車がエコな理由
3-1.そもそも「電気」がエコな理由
電気はなぜエコなのでしょうか?正確に言うと100%エコではありません。なぜなら発電所には石油発電所や石炭発電所があるからです。
ですが電気を作る方法にはクリーンな、太陽光、風力、水力、地熱発電等の方法もあります。電気は、これら再生可能エネルギーと呼ばれるクリーンなエネルギーからも作れる訳なのですね。
3-2.本当に電気自動車はエコなの?
よく本当に電気自動車はエコなのか?という疑問や否定の意見を目にします。
ですがヒポラボは断言致します。「電気自動車は(ガソリン車と比較すれば)100%エコです」と。。
よく電気自動車の電費kWhを石油換算すると、そんなにエコじゃないという意見をよく聞きますが、ちょっと待ってください。それは「電気の大半が化石燃料(石油、石炭)で発電した場合」の話です。もしクリーンなエネルギーだけで電気自動車を走らせる事ができれば、完全にエコな車となりますよね?
もちろん100%太陽光だけで電気自動車を走らせる事は不可能ではありませんが大変です。ですが以下のグラフをご覧ください。東日本大震災の影響で原子力発電が停止した為、一次的にLNG(液化天然ガス)や石炭・石油などを使った火力発電の割合が増えていますが、新エネ等の発電の割合も徐々に上がって来ています。
これら再生エネルギー事業は、年々拡大してきています。例えばソフトバンクグループは「アジアスーパーグリッドの実現性」「世界最大のメガソーラー」を計画しています。ヒポラボは近い将来、間違いなく再生エネルギーの発電割合が増えていくと確信しています。
また最近流行の「新電力」、電力を調達する際の「再生エネルギー」の割合が各社によって異なります。
会社名・プラン | 再生エネルギー割合 | 供給地域 |
---|---|---|
グリーナでんき GREENa RE100 | 100%再生可能エネルギー | 関東・中部・関西 |
東京電力エナジーパートナー アクアエナジー100 | 100%再生可能エネルギー | 関東 |
ソフトバンクでんき しぜんでんき | 再生可能エネルギー70%(FIT電気を含む) | 北海道・東北・関東・中部 関西・中国・四国・九州 |
Looopでんき | 再生可能エネルギーの割合は26%(FIT電気を含む) 太陽光発電設備や蓄電池などの販売も手掛けている | 離島・沖縄を除く全国 |
さらに「小丸川発電所」の様に、太陽光などの電力が余った際に水をくみ上げて発電用の位置エネルギーとしてためておく揚水発電所等もあります。
つまり単純に「電費kWhをガソリン換算」したって意味が無いのです。電気自動車自体は100%エコではありません。ですがガソリン車と比較したら電気自動車の方が確実にエコなのです。
ちなみに空前のエコブームな昨今、ガソリン車も様々な取り組みをしていますね。ただ、それぞれ1台1台、全てのガソリン車に対策する必要がある点にも注目してください。コスト増にも繋がり、結局ガソリンを燃やしてCO2を排出している事には変わりが無いです。それに対して発電所のCO2排出対策やエネルギー変換効率対策は、巨額の費用と設備で格段に良くなっておりエネルギーロスが少ないのです。エネルギーロスが少ないという事は「より少ない燃料(石油)で、より多くのエネルギーを生み出せる」という事になります。
上記の図を見て頂ければお分かりになると思います。だから電気自動車はエコなのです。
4.電気自動車の課題
ここまで書くと、ガソリン車より電気自動車の方が良いじゃん?って思うかもしれませんね。ですが、電気自動車が現代の主流にならないのは重大な欠点があるからなんです。4-1.電気自動車の最大の弱点はバッテリー
まず電車を考えてみてください。当時、一世風靡していた蒸気機関車は無くなり、現在は電車が主流となりました。
ですが電気自動車は、まだ現在の主流の移動手段にはなっていません。その最大の理由は電気の補充です。電車はパンタグラフを通じ、架線から電気を常に受け取りモーターを動かしています。対して車はバッテリーに蓄えた電気でモーターを動かしています。
これが最大のネックと言われています。ガソリンはエネルギーの保存状態がよく、燃やさない限り熱量を開放しません。
しかしバッテリーは自然に放電していってしまうし、現在、日進月歩でバッテリー技術は進化をしているとはいえ、まだまだ走れる走行距離に限界があります。そして高性能なリチウムバッテリーも生産量が増えていっているとはいえ価格を下がりずらく、重量も重いため、電気自動車のバッテリーの大型化には限界があります。
4-2.欠点の克服に向けて、最新の技術
先に述べた通り、電気自動車の最大のネックはバッテリーだと申しました。
ですが、これに関して現在は色々な研究がおこなわれております。
その中でもヒポラボがもっとも注目している技術があります。それは非接触充電です。まずは接触充電をご覧ください。
これはスウェーデンで完成した試験道路で、パンタグラフから電力供給を受けるトラックです。それどころか非接触式の研究まで行われています。
これが実現されれば、もう電車と変わりませんよね?
もちろんインフラの整備は大変でしょう。ですが、人類は、とても長い距離の道路をアスファルトで舗装し、とても長い距離に電線を引き、ガス管、水道を引いてきました。つまり人類は、道路にこの非接触式の充電器を長い距離に渡って設置する事だってできるのです。
おまけ
しかし、ヒポラボは日本が心配です。トヨタは水素を推しているそうですが、電気モーターの方がシンプルですでに確立している技術からですから。もし世界中で走行中充電のインフラ整備が進めば、将来は一気に電気自動車へ傾く可能性がありますよね。新たな雇用も生まれる訳ですし。。
しかし日本は既にEV後進国です。。もし自動車産業で将来日本が遅れをとると、経済が心配ですよね。( ??ω?? )
もっと日本も電気自動車の研究や普及に力を入れるべきでは無いでしょうか?
追記:2017年07月26日
トヨタもEVに本腰を入れてきているようですね。
http://jp.autoblog.com/2017/07/26/toyotas-new-solid-state-battery-could-make-its-way-to-cars-by-2020/
我が母校と共同開発している全固体電池に期待です♪